入社した日の不安も、うまくいかなかった日の悔しさも。
少しずつ積み重ねて、ここまで続けてきました。
スタイリストとして働く今も、毎日が順風満帆というわけではありません。
それでも、続けてきたからこそ見えてきたこと、わかるようになったことがあります。
今回は、そんな“続けてきた先”にいる先輩たちの等身大の話を聞きました。
※インタビュー当時の情報です
五日市 望
佐々木 真弓
苫米地 玲於奈
沢目 知子
“できる”より“慣れる”が必要だった
沢目
今振り返ると、最初に必要だったのって“技術”より環境に慣れる時間だったなって思う。
佐々木
私は研修をしっかり受けてから現場に出ましたけど、それでも最初はスピード感に圧倒されました。
苫米地
私、入社時期がコロナで…。最初お客様が少なくて、ヘルプもそんなに入れなくて、ひたすら掃除していた時期もありました。
沢目
専門用語も最初意味わかんないよね(笑)。
薬剤の呼び方とか。
五日市
わかります(笑)。
みんな当たり前みたいに「大豆」で呼ぶやつとか…。“え?何それ?”ってなるけど、薬剤の成分や袋に「大豆」って書いてあったりして。
佐々木
あと匂い…。薬剤の匂いって、慣れるまできついですよね。
私、入って1週間くらいでパーマ液の匂いで具合悪くなったんですよ。「これ続けられるのかな」って思ったけど、そのとき周りが「休んでいいよ」って言ってくれて。
その一言で「頑張ってみよう」って思えて。こういう小さいところが続けられた理由なんだと思う。
ミスはゼロにできない。
だから、信頼は“その後”で決まる
沢目
ここ本音なんだけど。
美容師って、ミスが怖い仕事だよね。私が一番緊張するのは、やっぱりカラー。
五日市
自分で染めてきたお客様(セルフカラー)など、難しいですよね。
沢目
そう。セルフカラーって、見た目は落ち着いてても中が予測できない。髪が想像以上にダメージが出ちゃって…。結局、後日やり直し対応になったことがあって。
私がちゃんと説明できてなかったのが原因だなって思って、誠実に対応するって気づかせてくれたきっかけでもあったんだよね。
そしたら、そのお客さまと逆に距離が近くなって、今は一緒に飲みに行くくらい(笑)。
クレームはない方がいいけど、対応次第で信頼が増えることもある。
佐々木
クレームが“終わり”じゃないんですよね。
沢目
そうそう。「別の人で」って言われたら、正直つらい。
でも「直しもあなたに任せる」って言われたら、それは信頼が残っている証拠。
そこに、次の新しい関係が生まれることもあるから。
苫米地
勉強になります!!
休める理由は、制度より“人”
沢目
じゃあさ、ぶっちゃけ休みって実際どう?取りやすいと感じている?
五日市
私は休みやすいと感じています。子どもの行事があるときも土曜でも休めます。
急な子どものお迎えでも「大丈夫だよ」って雰囲気があるので、すごく助かっています。
佐々木
私も同じく。
急に熱が出たとか呼び出しがあるときって、どうしてもあるんですけど。
そのとき予約を調整して帰れます。
お客様も、事情を伝えると「それは大変だね」って理解してくれる方が多いです。
五日市
本当にそうです。お客様も優しい方が多くて。「風邪流行っているもんね」と“理解のあるお客さまが多い”って、実は働きやすさに直結していると感じています。
沢目
最初から完璧な人なんて、いないじゃん。
私たちも、泣いたり失敗したりしながらここまで来たんだから。
「不安がある」っていう人ほど、後輩やお客様の気持ちに寄り添えるいい美容師になるんじゃないかなって思います。


スタイリストになると、
「一日」の重みが変わる
沢目
いまはスタイリストだけど、「今の業務内容は?」って聞かれると逆に難しい(笑)。
でも、わかりやすく言うと “サロンの一日を回す人” って感じかな。
予約は多い日でマックス15人。…やばいよね。
苫米地
15人って、ほぼノンストップですよね。
沢目
もちろん、アシスタントがいるから成立している件数。カットとかパーマみたいにスタイリストしかできないところは私が担当して、カラーの放置する時間からはアシスタントにお願いして、シャンプーまでバトンを渡し続けている感じ。
その間に私は次のお客様の仕上げに入ったり、次の薬剤の準備をしたり。
シャンプーが終わったらまた交代してもらって…っていうリレーだね。
五日市
一人で全部やるんじゃなくて、チームで一日を走っている感覚ですよね。
沢目
そう。だから気を付けていることは、どんなに急いでいても技術だけじゃなくて、引継ぎのコミュニケーションが大事。
「次これお願いできる?」「お客様にはこう伝えてほしい」って、ちゃんとアシスタントに共有できないと完走できないってこと。
佐々木
アシスタント時代にお客様と関係ができていると、そのままスタイリストになったときも続いてくれますよね。
沢目
本当にそれ。アシスタントの時から知っているお客様って、案外そのまま来てくれる。
「同じ人にやってもらいたい」っていう気持ちが、いつの間にか指名につながりやすいのもアーティスターあるあるだと思う。